こんにちは。東北のフォトグラファーのzookomiです。
今回はFE50mmF1.4GM(SEL5014GM)のレビュー記事です。
50mmといえば王道の標準レンズ。各メーカーの顔となるレンズとも言えます。
50mmの焦点距離一つでも多くの種類があり、良いレンズになると写りはすばらしいけれど、大きく重い設計になります。
今回登場したFE50mmF1.4GM(SEL5014GM)はネックとなる大きさや重さの問題を解決し、描写力も高い1本にまとめられたすばらしレンズだと、使用して強く感じました。
メリット | デメリット |
---|---|
繊細に写る描写力 40cmまで寄れるありがたさ 中望遠?と思えるボケ感 小型軽量の正義 トータルバランスの良さ 持っているだけで満足なGMレンズ | 価格が高い |
結論から言うと、描写や大きさ・重さのバランスが絶妙で現段階で文句のつけようがありません。
絞り開放で撮るボケ感のすばらしさ、絞ると非常にシャープです。
また、50mmのレンズで最短40cmまで寄ることのでき、痒い所に手が届いているなあと感じています。
購入したことによる満足感もありましたが、何より50mmレンズ迷子状態から抜け出せたことが最高ですね。
私にとっての現段階の50mmレンズのゴールと言えるFE50mmF1.4GM(SEL5014GM)。
写真を撮る楽しみを一層高めてくれるレンズだと断言できます。
- 50mmレンズの迷子から抜け出したい方
- 撮影に妥協したくない
- 写り、携帯性などのバランスの良いレンズを求めている方
- GMレンズって本当のところはどうなの?と思っている方
価格はGMレンズなので、それなりにしますがリセールバリューを考えると十分選択肢に入ってくるレンズです。
実際に手に取ってその素晴らしさを体感していただければ嬉しいです。
FE50mmF1.4GM(SEL50F14GM)|主なスペック・外観
まずは主なスペックと外観を紹介します。確認してみて下さい。
主なスペック
名称 | FE 50mm F1.4 GM(SEL50F14GM) |
---|---|
焦点距離 | 50mm |
開放絞り (F値) | F1.4 |
最小絞り (F値) | F16 |
絞り羽根 (枚) | 11 |
最短撮影距離 (m) | 0.41 (AF時) 0.38 (MF時) |
最大撮影倍率 (倍) | 0.16 (AF時) 0.18(MF時) |
フィルター径 (mm) | 67mm |
外形寸法 最大径x長さ (mm) | 80.6 x 96 |
質量 約 (g) | 516 |
特筆すべきは軽さでしょう。
約500gであることで、持ち出すときの抵抗感を少なくしてくれます。
また、撮影時(AF時)には40cmまで寄ることができるのでテーブルフォトなども気軽にできます。
50mmのレンズだと最短撮影が50cmということが多いので、マニュアルフォーカスで40cmを切ってくるのはすばらしいですね。
FE50mmF1.4GM | FE50mmF1.2GM | Planar T* FE 50mm F1.4 ZA | SIGMA Art 50mmF1.4 DG DN | |
---|---|---|---|---|
発売日 | 2023年4月 | 2021年4月 | 2016年7月 | 2023年2月 |
開放F値 | F1.4 | F1.2 | F1.4 | F1.4 |
フィルター経 | 67mm | 72mm | 72mm] | 72mm |
長さ | 96mm | 108mm | 108mm | 112mm |
重さ | 516g | 778g | 778g | 660g |
価格 | 約18万円 | 約25万円 | 約17万円 | 約12万円 |
他のレンズと比較すると、150g〜200gほど軽いです。
200gの差が常に持ち出すか持ち出さないかの分かれ目になります。
200gと言うとコンパクトカメラのGR1つ分の重さです。コンパクトカメラ1つ分の差は大きいですね。
FE50mmF1.2GMと詳しく比較したい方はこちらの記事もあわせて読んでみてください。
単焦点レンズが気になるという方は次の記事もおすすめ。
外観|コンパクトな見た目でスッキリ
外観を見ていきましょう。
コンパクトなだけあり、掌にすっぽりと収まる設計です。
フードをつけると手からはみ出ますが、収まりが気持ちいいです。
絞りリングとピントリング
最近のソニーの設計だと絞りリングがついています。私は使用することはなく、常にAにしてカメラのダイヤルで絞りをコントロールしています。
レンズにはピントリングも備わっており、動きがスムーズです。
AFとMFの切り替えボタンも近くにあるので、親指で操作しやすい設計になっています。
MFを使う方はだいぶ快適ですね。
ロックボタン
IRIS LOCKボタンは絞りリングをロックしてくれるボタンです。カバンから取り出したときに勝手に絞り値が変わっていることがないようにロックできるのもありがたい仕様です。
CLICKをONにしているとカチカチという手応えで絞りリングが動きます。
OFFにしていると、スムーズに絞りリングを動かすことができます。
ファンクションボタンは2つ
ファンクションボタンは上部と側部の2箇所についています。
カスタムして、自分がよく使う設定を割り当てるとよいでしょう。
レンズ径
レンズ径は67mm。
小さいので見た目のバランスもいいですね。
フード先端のゴム加工
フード先端にはゴム加工がされています。
立てたときにフードに傷がつかないように細かいところまで配慮された作りになっていますね。
SEL50F14の6つのメリット
私が思うFE50mmF1.4GM(SEL5014GM)のメリットを6つ挙げます。
ご自身のレンズラインナップに入れる前の確認をしてみて下さいね。
常用できるレンズであることは大切です。
防湿庫の住人にならないように見ていきましょう。
繊細に写る描写力
GMレンズというだけあり、描写性はすばらしいの一言。
上の写真は、絞りF13で撮影した写真です。
ピント位置の紅葉の葉の描写がすばらしいですね。
非常にシャープです。
紅葉の葉を拡大しました。F13で撮影していることもあり、広くピントが合っています。隅々までカリッと写り、背景のボケ感も主題を邪魔しない滑らかなボケ感を出しています。
開放で撮影すると、地味に問題になってくるのが色収差の問題です。
色収差:ピント面から外側に向かうにつれて、色がズレていく現象。
FE50mmF1.4GM(SEL5014GM)はさすがで、かなり色収差は抑えられています。
実は色収差はの問題はレンズの価格が高価になればなるほど良質なレンズを使用しているため、気にならなくなります。
比較的安価に手に入れることができるレンズは写りに歪みが生じたり、解説した色収差の問題が出てきたりするので、細かいところを見れば見るほど完成度に差を感じるはずです。
さらに安価なレンズは絞り開放で撮影していると、ピント位置の解像度が下がってしまう場合が多いです。
そうすると全体的にボヤッとした眠たい写真になってしまいます。
真ん中の紫陽花にピントを合わせて、絞り値をF1.4で撮影しています。
ピント位置の解像度はくっきりと、周りは滑らかにボケています。
40cmまで寄れるありがたさ
50mmというと私はあまり被写体に寄れるイメージがないのですが、皆さんはどうでしょうか?
50mmのレンズだと最短撮影距離が50cmくらいが一般的です。
最短撮影距離 | 0.41 (AF時) 0.38 (MF時) |
FE50mmF1.4GM(SEL5014GM)はなんとAF時でも約40cmまで寄ることができます。
10cmくらいと思うかもしれませんが、その10cmが意外と大きいのです。
何か物を持って撮ろうとすると、その10cmの差で腕を伸ばす位置が変わったり、テーブルフォトの距離感が変わってきます。
上の写真は、カメラを持ちながら最大まで寄った写真です。
50cmだと手のひら全体が見えるくらいの距離感になります。しかし、40cmだとだいぶカメラに寄った状態で撮影することができます。
寄ることで表現の幅が広がります。
王道の50mmF1.4のレンズで寄れる設計なのは実はすごいことですし、撮影者にとってはありがたいことです。
中望遠?と思えるボケ感
F1.4のレンズの魅力はボケの美しさだと考えています。
FE50mmF1.4GM(SEL5014GM)も当然のように美しくボケてくれます。
ピント位置(真ん中の紫陽花)から外側に向かって大きく美しくボケていき、大きなボケを表現してくれます。
85mmあたりの中望遠を使っているような感覚になりますね。
美しくボケています。大きく綺麗なボケ。
主題の紫陽花もくっきりと写り、周りは綺麗にボケているのでメリハリのある良い描写をしてくれます。
小型軽量の正義
FE50mmF1.4GM(SEL5014GM)の質量は約500g。
ペットボトル1本分の重さです。
これまで、50mmF1.4のレンズは一般的に700g~800gありました。
それが、500gまで軽量化されたのは、かなり大きな進化です。
過去のレンズや現行のレンズとも比べてみましょう。
FE50mmF1.4GM | FE50mmF1.2GM | Planar T* FE 50mm F1.4 ZA | SIGMA Art 50mmF1.4 DG DN | |
---|---|---|---|---|
長さ | 96mm | 108mm | 108mm | 112mm |
重さ | 516g | 778g | 778g | 660g |
特に軽く小さくまとめられていることがわかりますね。
大きさや軽さに視点を当てると、かなり優秀といえます。
コンパクトであることは持ち出すハードルを下げてくれます。
トータルのバランスの良さ
写りの良さ、ボケの滑らかさ、近接での撮影ができる、コンパクトな設計であることなど、トータルで考えると非常にバランスが良い設計になっていると言えます。
全てのちょうど良さが詰め込まれているみたいな感じです。
個人的には、コンパクトすぎると「撮っている感」を感じられないとか、「撮るぞ」というスイッチが入らなかったりと、マインド面に意外と影響を受けるんですね。
FE50mmF1.4GM(SEL5014GM)のトータルバランスが良さは、これまで使用してきたレンズの中でも群を抜いて良いです。
単焦点レンズであるがゆえ不自由な面もあります。
その不自由さを十分に楽しめたり、写りの良さで相殺してくれたりと、写真を撮る楽しさを感じさせてくれるレンズと言えます。
持ってるだけで満足なGMレンズ
よく所有感という言葉でまとめられますが、FE50mmF1.4GM(SEL5014GM)は持っているだけでも満足感を与えてくれるレンズです。
レンズは道具。使ってなんぼです。使うからこそ本来の力が引き出されます。
使うもよし、でも使わないときは、ながめて愛でるもよし。
満足感の高い一本であることは間違いありません。
たった1つのデメリット(対策あり)
仕方ないけれど価格は高い でも……
SONYのGMレンズはシャープな写りととろけるようなボケの両立をコンセプトに最高の技術が詰め込まれているシリーズです。
最高の技術が詰め込まれているということは、安価では提供できないということです。
50mmの単焦点レンズで約18万円価格。
写り等のトータルバランスの高さからいうと、当然の価格設定と言えます。
しかし、実はGMレンズの中では比較的安価な価格に設定されています。
対策1|売るときのことも考えてみる
販売価格だけで判断するのではなく、売るときのことも考えてみましょう。
売るときの相場や状態にもよりますが、買取価格は約13万円。(価格.com調べ)
使い倒せば、当然販売価格は下がってしまいますが、購入時との差額は約5万円。
5万円と考えればコストパフォーマンスが高いと言えるのではないでしょうか?
また、新品で購入し、やはり合わないとなった場合でも、他のレンズを購入できるだけの価格で売却できるので検討の余地があります。
対策2|レンタルを検討する
また、「購入まではしなくてもいいんだよな」という方は、レンタルをお勧めします。
GOOPASSのサービスがとても良いと感じています。
レンタルの他にサブスクのサービスもあるので、利用してみるのもありですね。
しっかりと解説しているので、この記事を読めばGOOPASSのレンタルはバッチリです。
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作例
FE50mmF1.4GM(SEL5014GM)購入後、何度か撮影に行きました。
携帯性も良好のため、つけっぱなしにすることも多く、楽しく撮影できるレンズでした。
ボケ感や解像度などの描写性を見ていてただければと思います。
素直な写りをしてくれるため、現像も手間がかからず、いい感じに色が乗ってくれる印象です。
使用した機材はこちら
一緒に購入したもの
FE50mmF1.4GM(SEL5014GM)を購入するにあたって、一緒に購入した物をご紹介します。
常につけっぱなしにもできる常用レンズなので、付けることで違った表現ができるフィルターやプロテクション用のフィルターを購入しました。
レンズフィルター
KenokoのKenkoのゼクロスツーというレンズフィルターを購入しました。
レンズフィルターの中でも、ピカイチの性能を誇るフィルターです。
レンズを守るためには必要になりますね。
ブラックミストプロテクター
同時にプロテクションフィルターを購入しましたが、プロテクションフィルターでもブラックミストの効果が付いている、ブラックミストプロテクターを購入しました。
プロテクション効果とブラックミストの効果両方取りができるので、コスパ的には最高ですね。
つけっぱなしでいいのでは?と思っています。
ホワイトミストフィルター
最後にホワイトミストフィルターを購入しました。
オールドレンズのような雰囲気の出るフィルターです。
最近は逆光の中の撮影や田舎の風景を撮影することが増えてきており、懐かしい雰囲気を表現したいなと思い購入に至りました。
まとめ|個人的には50mmレンズのゴール
実は50mmのレンズは特に好きな焦点距離のレンズです。
これまで、50mmのレンズはたくさん使ってきました。
しかし、重さや描写性、全体のバランス、持ち出す回数などトータルで考えるとなかなか自分の中の最適解が定まらない状態でした。
FE50mmF1.4GM(SEL5014GM)は描写性、大きさや重さのバランスなど全てを考慮すると、トータルバランスに優れ常用できるレンズであると判断し購入に至りました。
メリット | デメリット |
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繊細に写る描写力 40cmまで寄れるありがたさ 中望遠?と思えるボケ感 小型軽量の正義 トータルバランスの良さ 持っているだけで満足なGMレンズ | 価格が高い |
- 50mm迷子から抜け出したい方
- 軽くて写りのいいレンズを求めている方
- 写真を撮る意欲を爆上げしたい方
GMレンズという敷居の高さはあるかもしれませんが、撮影時の満足度を十分感じることのできるレンズです。
現段階で、私の50mmレンズのゴールとなるレンズです。
悩んでいる方はレンタルサービスを利用することをおすすします。
おすすめのレンタルサービスはGOOPASS。
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