こんにちは。東北のフォトグラファーのzookomiです。
常日頃から写真を愛し、撮影する皆さん。良い単焦点レンズはお持ちですか?
良い単焦点レンズは個性が強く、魔力があります。自分の写真の名作は実は単焦点レンズだという方も少なくないはずです。
50mmという焦点距離は、標準と言われながらもそれぞれの個性を持っているレンズが多く、写真家達を迷わせてきました。
今回の記事は個性が強く、使っていて楽しいレンズの一つ。FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)をレビューしていきます。
2021年にソニーから50mmレンズの最高峰であるFE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)が発表され、ソニーらしい作りから、今でも人気のある単焦点レンズの一つです。
今回のレビューは、私が実際に購入し、使用した率直な感想です。作例もありますので、参考にしてみてください。
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)は非常に高価なレンズです。もし購入を考えているのであれば、購入前に十分調べたりレビューや作例を見たりしたいと考えている方も多いはずです。
- 解像度とボケを両立した最高峰の写りを体験したい方
- 撮影に妥協したくない方
- 軽量で写りが良いレンズを必要としている方
2023年に発売されたFE50mmF1.4GM(SEL5014GM)も気になっているという方は次の記事もあわせてご覧ください。
それではいきましょう。
SONY FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)の基本的なスペック
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)の基本的なスペックです。
名称 | FE 50mm F1.2 GM |
型名 | SEL50F12GM |
レンズマウント | ソニー Eマウント |
対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離 | 50 |
開放絞り(F値) | F1.2 |
最小絞り(F値) | F16 |
最短撮影距離(cm) | 40 |
最大撮影倍率(倍) | 0.17 |
フィルター径(mm) | 72 |
手ぶれ補正 | なし |
テレコンバーター | 非対応 |
外形寸法 最大径×長さ(mm) | 87×108 |
質量(g) | 778 |
※ソニーストアより引用
50mmのレンズにこれだけの技術が詰め込まれているのはロマンを感じます。
絞りの開放がF1.2まであるレンズは、そのメーカーの技術の最高峰が詰め込まれていると言っても過言ではありません。
つまり、50mmレンズのフラッグシップといえます。
フラッグシップだからと言って必ずしもその人にとって一番良いものというわけではありません。
レンズには使用目的や写りの癖などがあるので、それぞれのレンズの個性を楽しむのがいいと私は考えてます。
とはいえ、FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)も非常に個性のあるレンズ。
SONYのGMレンズといえば、とろけるボケとシャープさの両立を実現したレンズです。
とにかく、最高の技術を詰め込んだ1本となっています。
当然メリット・デメリットはあります。ただ、確実に良いレンズであることは間違いありません。
SEL50F12GMの外観
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)の外観を見てみましょう。
レンズフードをつけた状態を持ってみると、ややボリュームを感じます。
しかし、持ちにくいかと言われるとそうは思いません。
女性の方が持つと大きさを感じてしまうかもしれませんが、男性の手の大きさでは持ちにくい感じはしないでしょう。
最近のソニーのレンズは絞りリングが付いているので、より操作しやすくなりました。
AFとMFの切り替えボタンも親指で届く範囲に設置されており、瞬時に切り替えることができます。
カスタムボタンもついているので、自分がよく使う設定を登録しておくことをおすすめします。
付いているボタンも単焦点レンズなので、非常にシンプルで扱いやすいですね。
前玉です。レンズ部分は小さめに作られています。
ちなみに、私はレンズフィルターをつけるようにしています。
よく使うのはKenkoのゼクロスツーです。
大切なレンズなので、レンズの部分はちゃんと保護したいと考えています。
デメリットは2つ|価格と大きさ
私が購入・使用して感じたデメリットは2つ。
それでは見ていきましょう。
価格が高い|レンタルを検討する
やはり単焦点レンズとしては価格は高いと感じます。
単焦点レンズで25万円を超えてくるレベルだとやはり手が出しにくい印象です。
しかし、「レンズは資産」という言葉もあり、購入時の価格と売却時の価格の差が少なく、購入者にとってはありがたいのです。
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)の買取価格は、価格.comで調べてみると、17万円から19万円ほどです。
使い倒せば当然買取価格は下がりますが、実質6万円から8万円から負担で済むのであれば、価格面のハードルはグッと下がります。
また、まず使ってみたいときはレンタルを使うのがコスト的には最適です。
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)くらいのレンズだと、2泊3日で約1万円ほどでレンタルできることが多いです。
たった2泊3日ですが、ガシガシ使えば、レンズの魅力や使っていて不便だなと感じるところを見つけることができるはずです。
レンタルのおすすめは2つ。
1つ目はGOOPASSです。
カメラのサブスクもしており、コスパよくカメラやレンズを使うことができます。
2つ目はモノカリです。
気軽に借りるのはモノカリがおすすめです。
賢く買うなら次の記事を参考にしてみてください。
太くて重いと感じる人もいる
最大径が87mm。レンズフードをつけるとさらにボリュームが増します。
個人的には持った感じ「太いな」と感じています。
この微妙に太い感じが、カメラバックのに入れるときにどうしてもかさばってしまうんですよね。
また重さも気になります。
スペックに対して軽い設計ではあるものの、やはり人によっては重く感じる方もいるはず。
単焦点の撒き餌レンズの重さは300gほどの重さです。
それに対してFE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)はその倍の重さとなると持ち運びに不安が出てくる方もいるのではないかと感じます。
重さや外観の大きさが気になる場合は撒き餌レンズを選んだり、違う視点でレンズを選んだりするのがいいでしょう。
例えば撒き餌さレンズを選ぶのであれば、個人的なおすすめは2本。
どちらも写りは確かなものです。持ち運びやコスパを考えると、選択肢に入ってきますね。
また最近発売されたSEL50F14GMも検討してもいいと思います。
しかし、FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)には他にはない魅力がありますので、そちらも捨てがたいですね。
魅力も見ていきましょう。
FE50mmF1.2GMの3つのいいところ
私が使用して感じた大きなメリットは上記の3つ。
価格以上の価値があると感じています。
F1.2のとろけるようなボケが素晴らしい
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)はボケが非常に美しいです。ピント面から外側はトロトロにボケます。
カメラならではの表現で、滑らかなボケは幻想的な写真に仕上げてくれます。
F1.2だとピントは浅くなってしまうのですが、それがまた特別な空気感を出しています。
ボケが良い効果をもたらし、上記の紅葉の写真は主題のもみじの葉、その背景のボケも良く、なんてことないシーンですが作品として昇華してくれています。
カメラの設定をAモード、絞りをF1.2に設定し、シャッター押すだけで作品になるのは感動ものです。
ボケる写真の撮り方やF値についてはこちらの記事で詳しく解説してますので参考にしてみてください。
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)の素晴らしさ体感すると、ボケ写真の楽しさから抜け出せなくなってしまいますね。
解像度もすごい
実はFE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)は解像度もすごいんです。
一般的なレンズだと、ボケ感がいいと、解像度は周辺減光したり、中心がぼやっとしたりしてしまいます。
ボケとシャープさを高いレベルで両立するのは難しいと言われています。
しかし、FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)はソニーの中でも最高峰のGMレンズ。ボケとシャープさを高いレベルで両立しているのがわかります。
近くにあった葉を少し絞って試しに撮影してみました。
ピントが合っている部分を拡大してみます。
ピントが合っている部分を拡大した写真を見てみましょう。
拡大して見たとき、「めっちゃ写る!」と、なりました。
とにかくすごい解像度です。(陳腐な表現ですみません)
若干被写体の葉からは離れた位置から撮影していますが、ピントが合っている葉を見ると細かい葉脈までくっきりと写っています。
あまりトリミングに頼りたくはないですが、ここまで写ってくれるのであれば、落ち着いて撮影に臨むことが可能でしょう。
スペックに対する軽量設計
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)は質量が778gです。
F1.2クラスのレンズで800gを切ってくるのは軽量すぎます。正直かなり驚きました。
軽さは正義です。
このクラスのレンズは一般的に1kgを超えるものが多いです。
コンパクト設計を実現しているのは、企業の努力としかいえません。
持ち運びやすいということは、撮影のチャンスが増えます。
撮影のチャンスが増えるということは、トライアンドエラーを繰り返すことができ、上達の速度が上がってきます。
たくさん写真を撮るチャンスがある人が、早く上達するのも納得ですよね。
しかも、良いレンズを使っていたら尚更です。
作例|開放・絞り
最後に作例を載せます。
作例はjpeg撮って出しではなく、ライトルームで基本補正を行い、明るさ・コントラストを若干調整しています。
全てSONYα7ⅣとFE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)で撮影した写真です。
ちなみにSONYα7Ⅳのレビュー記事もありますので、あわせて読んでみてください。
絞り開放で撮影した写真(F1.2〜F4)
絞りを開放で撮影した作例です。
各設定も載せていますので、参考にしてみてください。
開放で撮影すると、とろけるようなボケが魅力的です。
F1.6でも十分に美しいボケを表現してくれます。
F4に設定で若干絞って撮影しました。ピント位置の解像感が素晴らしいです。
稲と稲に付く水滴もくっきりと写しています。
朝市が行われていたときに撮影しました。
ピント位置の解像度と周辺に広がるボケのバランスが素晴らしいですね。
集められた落ち葉の真ん中に羽毛があり、気になったのでシャッターを押しました。
主題の羽毛が浮かび上がるようです。周りのボケ感も素晴らしいですね。
曇天のときにF1.2まで開放し、撮影をしました。
コスモスを主題とし、周りがしっかりとボケてくれるので、幻想的に表現されています。
やはりF1.2の世界はすごい。
夜にも撮影しました。開放値がF1.2まであると、より多く明るさが取り込めるため夜でも強いですね。
玉ボケも素晴らしいですね。
背景に光源があると、幻想的な写真に仕上げることができます。
絞って撮影した写真(F8〜F11)
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)はついつい開放にばかり目が行ってしまうレンズですが、絞ると細部までさらにしっかりと解像し、表現力の高さを感じさせてくれます。
あらゆる瞬間も逃しません。
金網はそれなりにボケ、メインの電車の解像はくっきりです。
光影のコントラストをよく捉えてくれます。
絞ることで引き締まった写真が撮れますね。
鉄塔の細部まで写しており、何気ない日常もしっかりと記録してくれるため心強いです。
まとめ|間違いなく至高のレンズ
この記事ではFE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)をレビューしました。
- 解像度とボケを両立した最高峰の写りを体験したい方
- 撮影に妥協したくない方
- 軽量で写りが良いレンズを必要としている方
完璧なレンズは存在しません。メリットもあればデメリットも当然あります。
しかし、FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)はSONYの技術が最大限に詰め込まれた1本、妥協のない1本と言えます。
F1.2で撮れる世界は特別です。
さらに、絞ったときの解像度も凄まじく、表現力の幅広さを感じることができます。
多少持ち運びに難はありますが、本気で撮影したい方には心からおすすめしたいレンズです。
購入は難しいなという方は、GOOPASSやモノカリでのレンタルがおすすめです。
FE50mmF1.2GM(SEL50F12GM)は2泊3日で1万円ほどでレンタルできます。
ぜひ、いい単焦点レンズで素晴らしい世界を切り取ってみてください。
今回は以上です。
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