【F値について】カメラの基礎 絞りについて解説|ボケを思い通りに!

F値について解説の画像

この記事ではF値(絞り)について解説します。

この記事を読むと
  • F値についてわかる
  • ボケのコントロールができるようになる
  • F値の設定の目安がわかり表現の幅が広がる

幻想的なボケ写真を撮影したい方やこれから写真をがんばりたい方には必見の内容になっています。

結論から言うとボケをコントロールできれば写真はより楽しくなります。

それではいきましょう。

目次(タップできる目次)

F値(絞り)の役割

F値(絞り)を説明する画像

F値には大きく2つの役割があります。

  • 光の量を調整する役割
  • ピントの合う範囲を調整する役割

光の量を調整する役割

F値には光を調整する役割があります。

光を調整するためにレンズには「絞り」というものがついています。

カメラの絞り羽の解説画像

絞りを開閉することで、取り入れる光の量をコントロールすることができます。

  • 絞りが開いている状態はF値の値が小さく設定されている。→F1.4、F2.8など
  • 絞りが閉じている状態はF値の値が大きく設定されている。→F5.6やF8など
カメラの開放を解説する画像
F値 開放 絞り羽が開いている状態

絞りが開いている状態を「開放」されているといい、F値の値はF1.8やF2など小さく設定されています。

カメラの絞り羽が閉じている状態
F値 絞られている 絞り羽が閉じている状態

絞りが閉じている状態を「絞っている」といい、F値の値はF8やF11など大きく設定されています。

  • 絞りが開いているとたくさんの光を取り込むことができる。
  • 絞りが閉じていると光を取り込むことができない。

ピント合う範囲を調整する役割

「絞り」の役割の一つに、ピントの合う範囲をコントロールする役割があります。

  • ピントの合う範囲:「被写界深度」という。被写界深度は被写界深度が浅い・深いという
  • 被写界深度が浅いピントの合う範囲は狭い
  • 被写界深度が深いピントの合う範囲が広い
絞りと開放を表す図解
ピントや被写界深度について

F値の設定の違い

F値(絞り)の値を小さくした場合

F値の値が小さいときの解説画像

F値の値を小さくすることを「開放」といいます。開放の状態だと、背景を大きくボカした写真を撮ることができます。

  • ふんわりした雰囲気の写真を撮りたいとき
  • 被写体を引き立てたいとき

光を多く取り入れることができるので、暗い場所での撮影にも向いています。

F値(絞り)の値を大きくした場合

F値の値が大きいときの解説画像

F値の値を大きくすることを「絞る」といいます。絞った状態だと、全体にピントが合ったようなシャープな写真を撮ることができます。

  • 風景写真で全体をパキッととしたシャープな写真を撮影したいとき
  • 集合写真など全体にピントを合わせたいとき

絞った写真は細部まで写り、その場の雰囲気がよく伝わります。

絞ると、光を多く取り込むことができないので三脚が必要になる場面も多いです。

F値を大きくしすぎると画質が落ちる!?回折現象に注意

できるだけシャープな写真を撮りたいがためにF値の値を大きくしてしまうと「回折現象」という、画質が下がってしまう現象が起きてしまいます。

F値がF20あたりを超えると見られることが多く、写真の中央部はくっきりとしているのですが、細部を見てみるとF8やF11と比べるとシャープさが失われてしまいます。

F値を大きくしすぎるのは注意をしましょう。

ボケをコントロールするなら絞り優先(A)モードで

カメラのAモードを解説する画像

ボケをコントロールするならカメラのA(絞り優先)モードをおすすめします。

撮影モードについて具体的に解説した記事もありますので、ぜひご一読を。

絞り優先モードの使い方

手順1 Aモードに設定する

まず、カメラでAモードにダイヤルを合わせます。

絞り優先(A)モードに設定するやり方を解説する画像

手順2 露出補正のダイヤルで露出を決める

次に、露出補正のダイヤルで露出を調整します。

Jpeg撮って出しなら0を基準として、明るめの写真なら+0.7くらいまで上げます。暗めの写真なら-0.7くらい下げます。

足りない場合は、好みによって変更してください。

露出補正ダイヤルで調整することを説明する画像
露出の目安を解説する画像

手順3 F値を決める

自分が撮りたい写真に近づくようにF値を変更します。

背景をぼかした写真を撮りたい:F値の値は小さく設定 目安はF1.8やF2.8

全体にピントが合ったような写真が撮りたい:F値はの値は大きく設定 目安はF8やF11

手順4 シャッタースピードを確認する

絞り優先モードなので、シャッタースピードは自動で決まります。

動いているものであればブレない基準は1/100〜だとブレる可能性は低くなります。

手ブレしないようにするには1/50以上が目安です。

シャッタースピードについて解説する画像

手順5 シャッタースピードが足りなければISO感度で補う

シャッタースピードが1/25など遅くなってしまっている場合はISO感度を調整して手ブレしないシャッタースピードまで上げます。

ISO感度の調整に関する説明の画像

絞り優先モードの注意点

  • シャッタースピードの不足による意図しないブレに注意

シャッタースピードについて詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。

対策3選

1 F値の値を小さくする

対策の一つ目はF値の値を下げることです。

下げる余裕があれば下げましょう。

2 ISO感度を上げる

2つ目はISO感度を上げることです。

F値の値も限界まで小さくしたのあれば、ISO感度で光を補い手ブレしないシャッタースピードにします。

ISO感度を上げるとノイズが発生し、画質の劣化につながるので上げ過ぎには注意しましょう。

3 露出補正を暗くする(後で編集が必要)

3つ目は撮影後に明るさを上げる編集が必要ですが、露出補正のダイヤルをマイナスにする(暗くする)とシャッタースピードを上げることができます。

暗くしすぎると編集で明るさを上げたときに画像が破綻してしまうので下げ過ぎには注意しましょう。

詳しい設定について知りたい方はこちらの記事もおすすめ。

シーン別 F値設定の基準

シーン別 F値の設定
  • 背景を大きくぼかしたいときはF1.4〜F2.8
  • 程よくボカしたいときはF4〜F5.6
  • 全体にピントが合うように撮りたいときはF8〜F13

ボケ感は実はセンサーサイズも関わってくるので、こちらの記事もあわせて読むと、理解が深まりますよ。

背景を大きくボカしたいときはF1.4〜F2.8

F値1.8の画像
F1.8 SS1/100 ISO800

メインとなる被写体がはっきりと決まっていて、被写体を際立たせたいときには背景がボケるようにF値を小さくするのがおすすめ。

背景を大きくぼかすのに適した被写体の例

  • 子供や人物などのポートレート写真
  • 食べ物
  • 動物
  • イルミネーション

背景を大きくボカした写真を撮りたいなら単焦点レンズがおすすめです。

程よくボカしたいときはF4〜F5.6

F4〜F5.6を説明する画像
F5 SS1/200 ISO100

F4やF5.6というF値は前ボケの写真によく使われるF値です。

程よく、何が写っているのかわかるくらいのF値なので、写真全体に何が写っているのかがわかるような写真や臨場感を伝えるために用いられます。

前ボケを解説する画像
F5.6 SS1/1000 ISO100

上の写真は「前の桜をボカして主題の灯籠を際だてています。

また、良いシーンがに出会い、手ブレが起きないF値に設定したらたまたまそのF値だったということが多いです。

全体にピントが合った写真を撮りたいときはF8〜F13

F値が8〜13の解説画像
F13 1/200 ISO100

F値の値を大きくして撮影する被写体の例

  • 風景写真
  • 集合写真
  • マクロ撮影

主に、カメラのファインダーに収まっているもの全体にピントを合わせたいときに使用することが多いです。

光を取り入れる量が少ないので、三脚を使い、ブレないような工夫をする必要があります。

より詳細なカメラの設定を知れる記事もありますのでぜひ。

まとめ|F値の設定は自由 でも目安はある程度覚えておこう!

今回はF値(絞り)についての解説でした。

F値をコントロールできれば、撮れる写真は格段に増えます。

今回の記事を参考にぜひ撮影に行ってみてくださいね。

今回は以上です。

F値について解説の画像

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この記事を書いた人

zookomi0124のアバター zookomi0124 東北のフォトグラファー

「おくのほそみち」というテーマで、東北を中心とした写真を撮影しています。
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