こんにちは。東北のフォトグラファーのzookomiです。
この記事は長時間露光(スローシャッター)について解説記事です。
- 長時間露光についてわかる
- 長時間露光に必要なアイテムがわかる
- 長時間露光の設定の仕方がわかる
- 長時間露光のおすすめの被写体がわかる
カメラに慣れてきた方は新しい撮影テクニックを知りたいと思います。私もカメラの基本的な設定が身に付いてきてからは、新しい撮影方法が知りたくて仕方がありませんでした。
チャレンジするにはもってこいの表現方法である長時間露光(スローシャッター)。
ぜひチャレンジしてみましょう。どんどんチャレンジして、写真のレベルを上げていきましょう。
結論から言います。
- 肉眼では見えない景色を撮影することができる
- カメラの他に必要なアイテムは三脚・NDフィルター・レリーズの3つ
- 撮影モードはマニュアル撮影
- 手ぶれ補正はOFF
- ピントは最初に合わせる
- 静と動を意識する
- 撮れるものが格段に増える
結論を踏まえて詳しい解説いきます。
長時間露光(スローシャッター)の特徴
長時間露光(スローシャッター)
- シャッターが開いている時間が長い
- 肉眼では見ることのできない景色を撮影することができるテクニック
シャッターが開いている時間が長い
長時間露光はスローシャッターとも言います。
スローシャッターは長い時間シャッターが開いているということです。
- シャッターが切られるまで短い:シャッタースピードが速い(高速シャッター)
- シャッターが切られるまで長い:シャッタースピードが遅い(スローシャッター)
スローシャッターにすれば動きのある被写体はブレます。
とても簡単にいうとスローシャッターは動きのブレを活かした写真表現です。
シャッタースピードはけっこうややこしいので、こちらの記事でさらに詳しく解説していますのでぜひ読んでみてください。
肉眼では見えない景色を撮影できる
長時間露光(スローシャッター)の魅力は肉眼では見ることのできない世界を見ることができることです。
滝の水を長時間露光で撮影すると滝の水がつながっているように撮れ、幻想的な写真になります。
あると最高の3つのアイテム(必須・任意)
長時間露光(スローシャッター)で撮影するにはカメラの他にも必要なアイテムが3つあります。
必須・任意で分けています。必要に応じて準備するとよいでしょう。
- 三脚(必須)
- レリーズ(任意)
- NDフィルター(任意)
三脚(必須)
長時間露光(スローシャッター)で撮影するにはカメラを固定する必要があるので、三脚は必須のアイテムです。
長時間露光(スローシャッター)はブレを活かした撮影方法なので、全体がブレてしまうと台無しになってしまいます。
三脚の選び方がイマイチわからない、という方はぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
私がおすすめする三脚は持ち運びがしやすいトラベラー三脚です。
その他にも重量級の三脚もあります。
メリットデメリットをざっくりと表にすると下の表のようになります。
トラベラー三脚 | 持ち運びやすい | 強風などによってブレる |
重量級三脚 | 持ち運びにくい | 強風などにも耐えられる |
トラベター三脚は持ち運びしやすいですが、脚の先が細いので強風などによってブレてしまう可能性があります。
重量級三脚は重いので持ち運びにくいですが、強風などにも耐えることができます。
一長一短ですので、必要に場面に合わせて使えるのが理想です。
ちなみに私が使っている三脚と、完璧なのでは?という理想の三脚を紹介しますね。
筆者おすすめの三脚
私が現在メインで使用している三脚です。
カーボン製で持ち運びやすさ価格などのバランスを考えると非常にコストパフォーマンスのいい三脚です。
ただ、足先が細いので強風の場面だと苦しいでしょう。
最強のトラベル三脚です。これ一本あればほぼ問題なしなのでは?というレベルです。
高額ですが、写真人生一生使える一品。
レリーズ(任意)
レリーズは任意のアイテムですがあった方がいいでしょう。
レリーズは、限りなくシャッターブレを抑えてくれるアイテムになります。
実はカメラはシャッターを指で押したときにもブレてしまうもので、特に長時間露光(スローシャッター)はブレに対して非常に敏感。
ちょっとした揺れでもブレてしまうので、レリーズはあった方が何かと便利です。
また、長時間露光(スローシャッター)はレリーズを使わないと30秒が限界です。
30秒以上シャッターを開ける(バブル撮影)撮影も出てくるので、レリーズがあるとさらに応用が効きます。
もしも準備が難しい、忘れてしまった場合はシャッタースピード30秒が限界ですが、2秒セルフタイマーという技もあります。
状況によっては、数秒、十数秒のシャッタースピードの場合もあると思います。そんな場面では2秒セルフタイマーで十分です。
2秒セルフタイマーを活用すると、カメラから手が離れるので、手ブレやシャッターブレの心配はなくなります。
おすすめのレリーズ
現在も使っていますが、何も問題ありませんね。ケーブルなので、取り付けに少々時間がかかります。
ケーブルは安定性がありますが、取り付けの手間を考えるのであればワイヤレスのものもおすすめです。個人的には、ワイヤレスがベスト。
NDフィルター(任意)
NDフィルターは特に日中や明け方の長時間露光で活躍するアイテムです。
日中の明るい場面で長時間露光をしてしまうと、光をたくさん撮りれてしまうため白とびが発生してしまいます。
何が写っているのかわからない真っ白な写真になってしまいます。
日中の多くの光が入るシーンではNDフィルターを使用して、光の量をコントロールしてあげます。
シャッタースピードの理解がまだいまいちという方はこちらの記事をでシャッタースピードについて詳しく解説しています。
NDフィルター早見表
下の表はNDフィルターの早見表です。
NDなし | ND2 | ND4 | ND8 | ND16 | ND32 | ND64 | ND128 | ND256 | ND500 | ND1000 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1/4000秒 | 1/2000秒 | 1/1000秒 | 1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 |
1/2000秒 | 1/1000秒 | 1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 |
1/1000秒 | 1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 |
1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 |
1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 |
1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 | 8秒 |
1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 | 8秒 | 15秒 |
1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 | 8秒 | 15秒 | 30秒 |
1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 | 8秒 | 15秒 | 30秒 | 1分 |
1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 | 8秒 | 15秒 | 30秒 | 1分 | 2分 |
1秒 | 2秒 | 4秒 | 8秒 | 15秒 | 30秒 | 1分 | 2分 | 4分 | 8分 | 16分 |
NDフィルターはND2やND4と表記されます。
ND2は光の量を半分(1/2)に、ND4は光の量を1/4にします。
光の量を減らすので、シャッタースピードも光の量に比例して1/2、1/4になります。
具体例:NDなしのシャッタースピード1/1000秒の場合
ND2なら光の量も1/2になるので、シャッタースピードも1/2の1/500秒になります。
ND8なら光の量も1/8になるので、シャッタースピードも1/8の1/125秒になります。
NDフィルターは重ね付けOK
NDフィルターは重ねて装着することができます。
NDフィルターは掛け算で計算します。
具体例:ND2にND4を重ねる
ND2×ND4=ND8と同じ効果
ND4、ND8、ND16、ND200、ND1000あたりを持っているとだいたいカバーできますね。
ただそろえるのは金額も大きくなるので、最初はND4やND8あたりから始めるのがベストです。
長時間露光(スローシャッター)撮影・設定の10ステップ
実際に長時間露光(スローシャッター)を撮影するための設定を10のステップに区切って解説します。
このステップに沿っていけば、多くの場面で活用することできます。
実際にカメラを触りなが実践してみてください。
まずは構図を決めます。
何も決めないままで、三脚やカメラをセッティングするのはダメです。
最初にファインダーを覗きながらベストな構図を決めていきます。
ベストな構図って何って?思った方は構図についての記事を参考にしてみてください。
構図が決まったらカメラを三脚にセットします。
装着するとき、カメラストラップは外しておくとよいでしょう。
引っかかって転倒するなどのトラブルを事前に防ぐことができます。
撮影モードはM(マニュアル)モードに設定します。
カメラのモードや設定についてはこちらの記事をご覧いただくと理解が深まります。
三脚に設定したら手ぶれ補正をOFFにします。
理由は、手ぶれ補正をONにするとカメラ側が誤作動し、逆にブレが生じてしまいます。
カメラを三脚に設定し、手ぶれ補正をOFFにしたら次に、レリーズを装着します。
シャッタースピードを遅くできないシーンならNDフィルターを装着します。
NDフィルターを装着すると暗くなってしまいピントを合わせるのが難しくなるため、ピントは装着前に合わせるのがいいでしょう。
F値(絞り)を設定します。
ボケが必要であれば、F4などF値の数字を小さくします。
長時間露光(スローシャッター)で撮影する場合はシャッタースピードを遅くるので、F値(絞り)の値はF8〜F16までの大きな値で設定することが多いです。
F値についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ISO感度は100に設定するのがいいでしょう。
できるだけ低く設定します。
星や蛍の撮影では周りが暗すぎるので、ISO感度は高く設定する場合もあります。
ISO感度について詳しく書いている記事もあるので、そちらもご覧ください。
シャッタースピードを決めます。
長時間露光は10秒あたりから明るさ見ながら徐々に調整していくといいでしょう。
シャッタースピードについてはこちらの記事で解説しています。
最後に明るさを見ながら微調整していき、明るさがちょうどいいところで撮ります。
目安は、露出の値が-0.3〜+0.3あたりがいいです。
おすすめの被写体
長時間露光(スローシャッター)は多くの被写体を撮影することができます。
その一例を紹介します。
- 夜景
- 花火
- 日中の雲の流れ
- 滝
- 海
夜景
夜景は長時間露光(スローシャッター)の定番被写体の1つです。
全体にピントを合わせて撮影したい場合はF値の値を高く設定して撮影するので、シャッタースピードが遅くなります。
夜景をクリアに撮影したい場合は長時間露光(スローシャッター)で撮影するのが適切でしょう。
花火
花火を撮影するときにも長時間露光(スローシャッター)を使います。
花火が明るすぎる場合もあるのでNDフィルターを使用することもあります。
日中の雲の流れ
日中の雲の流れを撮影する際にも長時間露光(スローシャッター)で撮影します。
建築物や山など動かない被写体と対比するとより印象的な写真になります。
日中の撮影なので、NDフィルターは必須になります。
滝
滝も一本につながっているように見える幻想的な写真を撮ることができます。
滝の撮影も日中の間合いが多いです。滝が白とびしないためや、シャッタースピードをを遅くするためNDフィルターを使用します。
海
長時間露光(スローシャッター)で海を撮影すると波を消すことができます。
雲と一緒に撮影すると、幻想的な写真になります。
時間帯は明け方がベストです。
撮影のポイントは静と動
長時間露光(スローシャッター)で撮影するときのポイントは、静と動を意識することが大切です。
滝がメインなので、その周りの岩などできるだけ動かないものと対比しています。
紅葉は風で動いてしまいますが、色が良いアクセントになっています。
都会の中で、車の光跡と動きがないビルの対比でによりかっこいい写真に仕上がります。
まとめ
- 肉眼では見えない景色を撮影することができる
- カメラの他に必要なアイテムは三脚・NDフィルター・レリーズの3つ
- 撮影モードはマニュアル撮影
- 手ぶれ補正はOFF
- ピントは最初に合わせる
- 静と動を意識する
- 撮れるものが格段に増える
長時間露光(スローシャッター)ができると、撮影の幅が格段に増えます。
必要なアイテム一覧
ぜひ長時間露光(スローシャッター)をマスターして、写真ライフを楽しみましょう。
最後まで読んでくださりありがとうございます。コメントなどいただけると、記事の質向上や励みになります。ぜひお願いします!
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